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#内なる偏見 との「 #共存 」: #自己の再構築

  内なる偏見との「共存」:自己の再構築 スティグマとの闘いは、外的な偏見を解消するだけでなく、内なる偏見を自覚し、自己を再構築する内面的な作業でもあります。 リカバリーの原則の一つに「ものの見方が変わること」があります。 当事者が経験した最も最悪なこと、つまり過去に家族や周囲の人に迷惑をかけたことは完全に病気のせいであり、自分のせいではまったくないのだと理解すること。 それがこの「見方が変わる」プロセス、別の言葉で言えば、ターニングポイント、またはイニシエーションとでも表現できるプロセスを経るのです。 これは、精神障害と自己を分けて考え、過去の自分を外在化し、精神障害を持つ「人」として新たな自分を再構築するための基盤となります。 私たち当事者は自らの体験を話しあい、分析し、対処法を見つけていく活動を行ってきました。 これは、スティグマによって生じた内なる偏見や過去の自分に対する自己否定を、経験の分析と共有(分かち合い)を通じて相対化し、共存していくための重要なプロセスなのです。 リカバリーは、 神経科学的な視点から言えば、「 他人から信頼される」「安心できる」「希望をもてる」状況になると、脳機能がそれに対応して変わっているはずであるという仮説とともに、その重要性が改めて認識されるのです。 他人から信頼されて誇りを覚える時、当然脳の働きは変わっているのです。 リカバリーとアンチスティグマの活動は、社会的な偏見を是正するだけでなく、当事者自身の脳と心の健康を、根底から回復させる力を持っていると言えるでしょう 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529 宇田川健

#国境 を越える #スティグマ と #情報戦略

国境を越えるスティグマと情報戦略 スティグマの問題は国際的であり、当事者は常に、自らの病状を隠すべきか、オープンにすべきかという課題に直面しています。 7.1 国際移動における薬物申告のジレンマ 当事者が国際的に移動する際にも、スティグマによる不安がつきまといます。 2003年のWFMHメルボルン大会への参加時、精神疾患のための処方薬をもって入国審査に挑んだ時に、筆者は薬を取り上げられるかもしれない、あるいは入国できないかもしれないとびびっていました。 このエピソードは、国や個人によって、病気を隠すことが最善の防御策となる場合と、正直さが偏見を打ち破る場合があるという、スティグマ対応のジレンマを示しています。 7.2 貧困国と富裕国のスティグマの格差 WFMH大会では、スティグマが国際的な問題であることが確認されています。 アフリカ大陸の貧困国では、精神保健の予算が感染症やHIV対策に優先され、精神病らしい人は病院にかかるよりヒーラー(呪術師)の所に連れて行かれます。 ヒーラーがお酒を勧めたり、自傷行為をする人にお酒を勧めたりする行為が行われています。 クリニックに行くと「狂っている人として、コミュニティから出される」地域もあります。 貧困国では、一番近い精神病院へのタクシー代(往復40ランド)があれば、1週間家族が食べていけるため、当事者は治療を諦め、孤立を感じる人が多いという現実があります。 この極端な貧困は、当事者の健康だけでなく、社会参加とリカバリーの機会を奪う、最も深刻な構造的スティグマとなっているのです。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#スティグマ 解消のための #能動的戦略

スティグマ解消のための能動的戦略 私たち当事者は、スティグマをただ受容するのではなく、活動を通じて能動的に抵抗し、環境を変えようとしています。 リカバリー情報の発信プラットフォームの確立 NPO法人コンボは、リカバリーという考え方を根本におき、当事者から発信する情報提供を中心に、啓発活動を続けています。団体の発足時に始めた月刊誌『こころの元気+』は、当事者本人が顔写真を出し、実名で記事を書くことを原則としていました。 これは、当事者の共感を得るだけでなく、診察室や面談室では分かり得ない、当事者・家族は、本当は何を感じ、何を考えているのかということを現場の専門家が学ぶ場となっています。 NPOコンボは、当事者が発信、発言する場として、プラットフォームとしての新しい形の当事者団体になったと言えます。 6.2 権利擁護と地域変革のための「戦術」 筆者自身は、当事者の権利を底上げするための能動的な戦術を実行してきました。 こうした活動は、当事者参画の文化がなかった時代に、新しいところ(学術集会や研究)へ1人目の当事者として突っ込まされて、傷を負って帰ってくることを繰り返し、次につづく当事者の人が傷つかずに済むはずだという信念で、道を歩み、社会を耕す 役割を担ってきたと自負しています。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#アンチスティグマ 活動の妨害と「 #トークニズム の罠」

  アンチスティグマ活動の妨害と「トークニズムの罠」 ある当事者が自ら発言し、社会的な変革を促そうとする際、その力を削ぎ落とすメカニズムが、特に専門職や行政、そしてシステムの中で働く他の当事者(当事者サービス提供者)自身を介して働きます。 5.1 リカバリーを封じる最大のバリア アンチスティグマとリカバリーの最大のバリアは、リカバリーの最中にいる当事者の口を封じること、すなわち自由な言動や語りを封じられることです。 ピアスタッフ(当事者サービス提供者)の一部が、所属している組織を辞職し、フリーランスとして働くことを宣言した最大の理由も、「この組織にいると自由な発言ができない」というものでした。 組 織に圧力をかけられ、発言内容を自分の意図ではなく所属組織に合わせ、嘘をつくことは、当事者として最悪の経験であり、人生においてしてはいけないことであるとされています。 リカバリー志向でない組織では、リカバリーの最中にいる当事者の発言が、同僚や雇用主の立場からの忖度によって口を封じられることで、各地域の当事者によるアンチスティグマの継続的で地味な努力はいったん終止符を打たれます。 5.2 トークニズムの罠と「ショーケースに入った当事者」 当事者参画が広く行き渡るにつれ、行政の委員会や学会など、いろいろな場に、言い訳として当事者の椅子が一つだけ用意される慣習が生まれました。 これを海外の当事者の仲間は一言で「トークニズム!」と言い放ちました。 トークニズム(Tokenism)とは、形式的かつ機械的な当事者参画であり、当事者はゲームセンターのコイン(トークン)と同じような価値でしか扱われないことを意味します。 これは、「あなたは発言してもいいです、でも意見は聞きいれません」という態度を示すもので、この罠にはまった当事者は「ショーケースに入った当事者」と呼ばれ、屈辱的な思いをします。 筆者は、自ら「トークニズムの罠に足を突っ込んでみた」経験があります。 悲観、絶望、無力、恐怖を感じながらも、次に続くほかの当事者が発言をするときの準備となるよう、あえて「ショーケースに入った当事者」という自覚を持ちつつ、参加し続けてきたのです。 学術集会における当事者の扱いの具体例として、シンポジウムで、「ばーっと専門家たちの発表があって、一通り終わったあと、『では、当事者の方はどういう感想を...

#教育現場 への #当事者参画 が抱える #希望 と #懸念

  教育現場への当事者参画が抱える希望と懸念 アンチスティグマの具体的な実践の場として、学校教育や大学教育の現場への当事者参画は重要ですが、そこには複数の課題と危険性が存在します。 4.1 教育現場でのスティグマ継承の危険性 カリキュラムとして、義務教育や高等学校での精神保健教育が始まるとき、精神疾患の発病=悪となる可能性があります。 当事者としての経験から、精神疾患について「保健的な知識を身につけ、精神疾患にならないようにしましょう、精神疾患になったら病院へ」というだけの教育では、再発=悪の文化を感じる伝統的な精神科医療を経験してきた身としては、精神疾患の発病=悪となるのではないかという強い懸念を持たざるを得ません。 なぜなら、予防と回復の知識を身につければ予防できるかというそもそもの問題があるにせよ、それを無視したとしても、アンチスティグマの教育も並列するべきだからです。 アンチスティグマの教育がなければ、大人から子供へのスティグマの継承が起こり、精神疾患になった人が隣に住んでいるとしても、運が悪い人と思うだけの人が育ってしまう可能性があります。 実際に当事者としての筆者は発病当時、大学の図書館で精神疾患についての教科書を読んだ際、学べば学ぶほど絶望した経験があり、もし今の時代に予防教育を受けた上で発病したとしても、「自分の人生のキャリアが終わった」と感じる可能性が高いのです。 4.2 専門職教育における偏見 看護やソーシャルワークを目指す大学生でさえ、筆者がゲストスピーカーをとして話をした際に、フィードバックシートに「目の前に来たので危険を感じた」という旨を書いたことが報告されています。 筆者は、「当然だろうと思った」と記録しています。 この経験は、専門職を目指す若い人々でさえ、精神障害者に対して根深い偏見を持っている現実を示しています。 当事者が教育に参画することは理想です。しかし話し手としての当事者本人にとってはかなりの負担であり、またその場にいる大人の拒否反応も必ずあると覚悟すべきです。 それでも、当事者が参画することで、もし一人でも目の前にいる学生の考え方が変わりうることは、大きな価値があるのです。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/z...

#アンチスティグマ の戦略と #リカバリー の両輪関係

アンチスティグマの戦略とリカバリーの両輪関係 スティグマを解消し、当事者の主体性を回復させる活動は、リカバリーの旅そのものと不可分な関係にあります。 3.1 リカバリーとアンチスティグマは「自転車のペダルと車輪の関係」 当事者としての結論として、「リカバリーの過程にいる当事者が増えれば増えるほど、世の中からスティグマは減り、世の中のスティグマが減れば減るほどリカバリーの過程に入り込む当事者が増えていく」という関係性が述べられています。アンチスティグマとリカバリーは、例えて言えば互いに自転車のペダルと車輪の関係にあり、どちらかが回ればもう片方も回る車の両輪です。 リカバリーは、リカバリーストーリーの語りを聞くことや、ロールモデルとなる当事者の生きる姿勢から感染するとされています。一旦リカバリーに感染すると、どんなに病気が悪くても、どんなに社会的な指標や回復の指標が低くても、人間としての普通の苦労をし続けるしかなくなるのです。 3.2 アンチスティグマのための三原則 国際的なアンチスティグマ活動では、スティグマをなくすための具体的な戦略が共有されています。 1. プロテスト(抗議):差別的な言動に対して異議を唱えること。 2. 教育:精神疾患や回復について正しい知識を伝えること。 3. 実際に会うこと(直接接触体験):精神障害を持つ当事者と直接出会い、話を聞くこと。 特に「実際に会うこと」は、偏見を解消する上で最も力があるとされています。 リカバリー全国フォーラムの最大の価値は、立場を超えた完全に水平な関係性を参加者全員に約束し、維持し続けていることにあり、当事者との直接接触によって、目を覚ます専門職が多く見受けられる場となっています。 リカバリー全国フォーラムでは、参加する動機が「誰か」に「直接」「会い」に行き、立場を超えて「触れ合う」ことです。 この直接接触体験の提供は、学校現場で言えば教諭や管理者、事務員なども、精神疾患を持つ当事者に直接接触することで、大人から子供へのスティグマの継承を起こさないという目的も持っています。 3.3 経験の語りが持つ「エビデンス」としての価値 当事者がアンチスティグマのために何を話すべきかという問いに対し、カーメン・リーは「just your story!」と答えています。 当事者が人前でアンチスティグマのために話をすることは、経験...

#スティグマ の三重構造:外なる、内なる、システムの中の偏見 #リカバリー #こころの病の回復の道

スティグマの三重構造:外なる、内なる、システムの中の偏見 スティグマは単なる社会の無理解ではなく、当事者を取り巻く環境全体に存在する構造的な抑圧として捉えられます。この構造は、大きく分けて三層からなります。 2.1 外なるスティグマ(社会とSNS、マスメディアからの偏見) 外なるスティグマは、社会やSNS,ウェブサイト、マスメディアを通じて形成される、精神障害者に対する一般的な偏見です。これは、当事者が社会に出ることをためらわせ、孤立を深める主要因となります。 アンチスティグマ活動では、この「外からのスティグマ」をなくすために、地域のあらゆる集まり、例えば小学校、中学校、高校、大学、ソーシャルワーカーの大学、ロースクール、メディカルスクール、地域のクラブ、女性サークルなど、ありとあらゆる場所に精神疾患をもつ当事者がチームを作って訪問し、講演をしてきた事例が世界各地であります。 2.2 内なるスティグマ(セルフスティグマ) 内なるスティグマとは、社会的な偏見を当事者自身が内面化し、自己蔑視や自己否定に陥ることです。 当事者は、かつて病気になる前に、精神病を持つ人に対して偏見を持っていたことや、専門家や家族、病気になる前の自分もみんな偏見に満ちているのではないかと考え、思考や発言が抑制されます。この内なる偏見は、当事者がシステム内部からの言葉や仕草を咀嚼し、栄養を付けた結果として、「おかしな物の見方」として身となり血となって完成したものだと分析することができます。 しかし、リカバリーの過程にあるロールモデルとなる当事者がどんどん増え、その生きる姿勢を見たり、リカバリーストーリーを聞いたりすることで、内なるスティグマはが級数的に小さくなることが期待されています。 2.3 精神保健システムの中のスティグマ(中なるスティグマ) 伝統的なスティグマ概念である、従来の「外なるスティグマ」と「内なるスティグマ」に加えて、「中なるスティグマ」という概念を提示することになります。 これは、精神保健システム内部、特に専門職と当事者との間のヒエラルキーや、当事者同士の間で生じる偏見や差別です。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#スティグマ の性質:病気の苦しみを凌駕する #抑圧 #リカバリー #こころの病の回復の道

スティグマの性質:病気の苦しみを凌駕する抑圧 私たち精神障害者が社会で生きる上で、病気の症状そのものからくる苦痛以上に、スティグマ(偏見や差別)からくる苦しみが大きいという事実は、当事者コミュニティにおいて共通の認識となっています。スティグマは、当事者の人間としての尊厳、機会、そして最も重要な正気さを奪う、構造的な暴力とも言えるものです。 1.1 奪われるべきでない「正気の沙汰」 精神病を患う当事者でも、その核には「正気」があります。しかし、精神保健システムや社会は、当事者の自然な感情の表出を「病気の症状」として捉え、管理下に置こうとします。 過去に筆者の精神疾患をもった友人は6人も突然死しました。オーストラリアの当事者ジャネット・メアは、この事態を目の当たりにして「怒るのがふつうだろう」と述べました。この怒りは、私たちが人間だからこそ生じる感情であり、まさしく正気の沙汰です。にもかかわらず、その怒りを表出することで、「怒っていると精神病の症状だとして病院に連れて行かれるのでしょうか」という根源的な不安に晒されることになります。 スティグマは、私たちの人生の価値そのものを低下させます。精神保健システムそのもののおかげで、精神病が良くなることはある一方で、主張的(アサーティブ)でなくなる、自尊心がなくなる、経済的に貧しくなる、社会に参加する機会が低下する、自分で自分を守る能力が低くなるといった喪失を引き起こします。精神病になると、信用が低下し、家族を喪失し、参加の機会を喪失し、そして性的関係を喪失するといった、人間関係の根幹を揺るがす事態が起こるのです。 筆者は精神疾患を持った当事者自身の経験として、19歳で初めて精神疾患になっていると感じた時、まだ始まってもいないのに自分のキャリアは終わったと感じました。これは、精神疾患がどんなものか知らず、精神疾患を持って生きる人が周囲にいなかったため、絶望感を抱いたからです。 1.2 精神保健業界が強いるライフスタイルの制限 スティグマは、当事者の生活の選択肢を狭めます。精神保健業界(メンタル・ヘルス・ソサイエティ)が当事者に対して、「薬は飲みなさい、人生の身体症状については、あなたは選べない」と人に強制することは、スティグマの一つの現れです。 これは、精神科の患者のライフスタイルを権利として認めるのか、それとも、精神病にかかっ...

#アンチスティグマ #リカバリー #こころの病の回復の道

デジタルプラットフォームと存在の確認 現代において、当事者の「語り」と活動は、デジタルプラットフォームによって広がりを見せています。NPO法人コンボは、当事者が本音の言葉を発信し続けるプラットフォームとしての責任を担っています。 ウェブ解析の仕事を通じて、筆者は世の中の事柄が浮かび上がってくる時があることに気づきました。例えば、「オーバードーズ+自傷」「オーバードーズ+自殺」といった検索キーワードでウェブサイトにアクセスしてくる人々が増えている状況があります。 オーバードーズや自傷行為は、周りからは驚かれ、やめてほしいと思われる行為ですが、ウェブ解析から、これらの検索をして当事者の記事にたどり着いた人は、生き残るために行っているのだろうと解釈されています。彼らがコンボのウェブサイトにアクセスしていることが確認されるたびに、「その人はまだ生きているのだ」という事実が確認され、安堵が得られます。 この孤立の中にある人々の「どうしようもない」という困りごとに対して、ピアの経験に基づいた回答(例えば、日記を書くことで一日一日生きてきた)を提供することこそが、当事者活動の重要な戦略となります。 リカバリーは、当事者が孤立から抜け出すために決定的に必要であり、薬は孤立に関しては全く役に立ちません。 この孤立をなんとかするのは、リカバリーの過程にある精神障害者たちが、孤立している仲間に自分たちを発信していくこと以外にはないのです。 アンチスティグマとは、当事者が自らの存在を肯定し、その声をシステムと社会に届け、水平な関係性の構築を要求し続けることであり、その活動の継続こそが、スティグマを解消し、社会全体を変化させるための確かな力となるのです。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#トークニズム の罠と当事者の尊厳の確保 #リカバリー #こころの病の回復の道

  トークニズムの罠と当事者の尊厳の確保 アンチスティグマ活動の最大のバリアは、リカバリーの最中にいる当事者の口を封じることです。当事者の参画が広がるにつれ、日本国内の様々な委員会や学会で、言い訳として当事者の椅子が一つだけ用意される慣習、すなわちトークニズムの罠が存在します。 トークニズムとは、「あなたは発言してもいいです、でも意見は聞きいれません」という姿勢を示すものであり、この罠にはまった当事者は「ショーケースに入った当事者」と呼ばれ、屈辱的な思いをします。当事者は、ゲームセンターのコイン(トークン)と同じような価値でしか扱われないと感じるのです。 実際に、当事者は学会のシンポジウムに参加する際、「いわゆるお歴々の精神保健福祉医療の専門家の発表があって、一通り終わって、『じゃあ当事者の方はどういう感想を持ちましたか?』という立場で参加することが多い」と、その扱いには疑問を感じます。 また、国際会議の場においても、当事者ミーティングが理事会の圧力で削減されたり、当事者決議の発表の場で壇上にあがることすら警備上の理由で拒否され、フロアからの発言しか許されないといった差別的な扱いを受けました。 筆者は、次に続くほかの当事者が発言をするときの準備とするため、悲観、絶望、無力、恐怖を感じながらも、あえてトークニズムの罠に足を突っ込み、自らショーケースに入ってみようという覚悟をした経験があります。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529