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11月 6, 2025の投稿を表示しています

#アンチスティグマ #リカバリー #こころの病の回復の道

デジタルプラットフォームと存在の確認 現代において、当事者の「語り」と活動は、デジタルプラットフォームによって広がりを見せています。NPO法人コンボは、当事者が本音の言葉を発信し続けるプラットフォームとしての責任を担っています。 ウェブ解析の仕事を通じて、筆者は世の中の事柄が浮かび上がってくる時があることに気づきました。例えば、「オーバードーズ+自傷」「オーバードーズ+自殺」といった検索キーワードでウェブサイトにアクセスしてくる人々が増えている状況があります。 オーバードーズや自傷行為は、周りからは驚かれ、やめてほしいと思われる行為ですが、ウェブ解析から、これらの検索をして当事者の記事にたどり着いた人は、生き残るために行っているのだろうと解釈されています。彼らがコンボのウェブサイトにアクセスしていることが確認されるたびに、「その人はまだ生きているのだ」という事実が確認され、安堵が得られます。 この孤立の中にある人々の「どうしようもない」という困りごとに対して、ピアの経験に基づいた回答(例えば、日記を書くことで一日一日生きてきた)を提供することこそが、当事者活動の重要な戦略となります。 リカバリーは、当事者が孤立から抜け出すために決定的に必要であり、薬は孤立に関しては全く役に立ちません。 この孤立をなんとかするのは、リカバリーの過程にある精神障害者たちが、孤立している仲間に自分たちを発信していくこと以外にはないのです。 アンチスティグマとは、当事者が自らの存在を肯定し、その声をシステムと社会に届け、水平な関係性の構築を要求し続けることであり、その活動の継続こそが、スティグマを解消し、社会全体を変化させるための確かな力となるのです。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#トークニズム の罠と当事者の尊厳の確保 #リカバリー #こころの病の回復の道

  トークニズムの罠と当事者の尊厳の確保 アンチスティグマ活動の最大のバリアは、リカバリーの最中にいる当事者の口を封じることです。当事者の参画が広がるにつれ、日本国内の様々な委員会や学会で、言い訳として当事者の椅子が一つだけ用意される慣習、すなわちトークニズムの罠が存在します。 トークニズムとは、「あなたは発言してもいいです、でも意見は聞きいれません」という姿勢を示すものであり、この罠にはまった当事者は「ショーケースに入った当事者」と呼ばれ、屈辱的な思いをします。当事者は、ゲームセンターのコイン(トークン)と同じような価値でしか扱われないと感じるのです。 実際に、当事者は学会のシンポジウムに参加する際、「いわゆるお歴々の精神保健福祉医療の専門家の発表があって、一通り終わって、『じゃあ当事者の方はどういう感想を持ちましたか?』という立場で参加することが多い」と、その扱いには疑問を感じます。 また、国際会議の場においても、当事者ミーティングが理事会の圧力で削減されたり、当事者決議の発表の場で壇上にあがることすら警備上の理由で拒否され、フロアからの発言しか許されないといった差別的な扱いを受けました。 筆者は、次に続くほかの当事者が発言をするときの準備とするため、悲観、絶望、無力、恐怖を感じながらも、あえてトークニズムの罠に足を突っ込み、自らショーケースに入ってみようという覚悟をした経験があります。 【最後までお読みいただきありがとうございます。 もしよければ、アンケートにお答えいただけますと幸いです。】 https://forms.gle/zG75PkzCJJi6ns529

#スティグマ の解剖:病気の苦しみを超える構造的抑圧 #リカバリー #こころの病の回復の道

  スティグマの解剖:病気の苦しみを超える構造的抑圧 精神障害を持つ当事者が直面する苦痛は二重構造を成しています。一つは病気そのものの苦しみであり、もう一つはスティグマ(偏見や差別)による苦しみです。当事者の声は、多くの場合、スティグマによる苦しみのほうが大きいと訴えます。スティグマとは、「あなた」をよく知らないうちに、何かを前提にしてしまう態度または信念であり、人から力を奪い、良い関係を作ることを引き下げてしまうものです。 当事者が直面するスティグマは、外部、内部、そしてシステム内部に存在する三重構造として認識されています。 1. 外なるスティグマ : メディアや世論といった社会全体からの偏見や差別です。 2. 内なるスティグマ(セルフスティグマ) : 外部の偏見を内面化し、「人から拒否されるのではないか」という恐怖を抱くことです。当事者は、かつて病気になる前に抱いていた偏見(「一般の人は偏見に満ちている」という偏見)を自らが持っていたこと、そして専門家や家族、病気になる前の自分もそれぞれが、偏見に満ちていること認めていることの継続です。 3. 精神保健システムの中のスティグマ(中なるスティグマ) : 精神保健システムの専門家や関係者、さらには当事者同士の間で生じるスティグマ的行為です。 例えば、当事者同士で「私はうつ病、あなたはアルコール中毒、私のほうがよい」といった意味のない優劣の態度を持つことや、専門職によるデパワー的な見方が私たち当事者に乗り移ることなどがこれにあたります。 この中なるスティグマは、当事者がシステム内部の「中の人」からの言葉や仕草、信号を一生懸命に受け取り、咀嚼し、栄養を付けた結果、「おかしな物の見方」として身となり血となって完成したものだと分析されます。 2. 「語り」の絶対的価値とアンチスティグマの戦略 スティグマを解消し、真のリカバリーを実現するための鍵は、当事者自身の経験と「語り」車の両輪です。リカバリーの過程にいる当事者が増え、その生きる姿勢やストーリーを見せることで、世の中からスティグマは減っていくと考えられています。 経験はエビデンスである 私たち精神障害者は、全世界で見渡しても共通して「語るべきストーリーがある」という特質を持っています。このストーリーは、何ごとにも代えがたい、価値あるものであり、他人には評価できない...