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 教育現場への当事者参画が抱える希望と懸念

アンチスティグマの具体的な実践の場として、学校教育や大学教育の現場への当事者参画は重要ですが、そこには複数の課題と危険性が存在します。


4.1 教育現場でのスティグマ継承の危険性

カリキュラムとして、義務教育や高等学校での精神保健教育が始まるとき、精神疾患の発病=悪となる可能性があります。


当事者としての経験から、精神疾患について「保健的な知識を身につけ、精神疾患にならないようにしましょう、精神疾患になったら病院へ」というだけの教育では、再発=悪の文化を感じる伝統的な精神科医療を経験してきた身としては、精神疾患の発病=悪となるのではないかという強い懸念を持たざるを得ません。


なぜなら、予防と回復の知識を身につければ予防できるかというそもそもの問題があるにせよ、それを無視したとしても、アンチスティグマの教育も並列するべきだからです。


アンチスティグマの教育がなければ、大人から子供へのスティグマの継承が起こり、精神疾患になった人が隣に住んでいるとしても、運が悪い人と思うだけの人が育ってしまう可能性があります。


実際に当事者としての筆者は発病当時、大学の図書館で精神疾患についての教科書を読んだ際、学べば学ぶほど絶望した経験があり、もし今の時代に予防教育を受けた上で発病したとしても、「自分の人生のキャリアが終わった」と感じる可能性が高いのです。


4.2 専門職教育における偏見

看護やソーシャルワークを目指す大学生でさえ、筆者がゲストスピーカーをとして話をした際に、フィードバックシートに「目の前に来たので危険を感じた」という旨を書いたことが報告されています。


筆者は、「当然だろうと思った」と記録しています。


この経験は、専門職を目指す若い人々でさえ、精神障害者に対して根深い偏見を持っている現実を示しています。


当事者が教育に参画することは理想です。しかし話し手としての当事者本人にとってはかなりの負担であり、またその場にいる大人の拒否反応も必ずあると覚悟すべきです。


それでも、当事者が参画することで、もし一人でも目の前にいる学生の考え方が変わりうることは、大きな価値があるのです。


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