#リカバリー #こころの病の回復の道 #その背景

リカバリー概念の背景


当事者の立場からは、そもそもリカバリーという言葉は、精神科の医師や福祉関係者、その他の医療従事者が、精神疾患を医学的に治せないので、リカバリーという考え方や、生き方をこねくりあげて造語しないといけなかったのではないか、という推測があります。つまり、医師が治せないからこそ、私たちは主観的に希望を持っている状態、ストーリーを自信を持って語れる状態を「リカバリーの過程にいる」と表現し、そこに価値を見出している状況なのです。


2. リカバリーの4原則—主体性と責任の回復

リカバリーの過程は、私たち当事者が自ら感じ取り、自らストーリーを語り始めるときに覚醒するものです。当事者同士で共有されている最小限の原則として、主に四つの要素が挙げられています。


リカバリーの4原則とは、以下の通りです。

1. 決定(選択)すること

3. ピアサポート(仲間を助けること)

4. ものの見方が変わること(自己同一性の再構成)


リカバリーの道は、誰かが運転してくれる高級車の助手席に座ってぼんやりとしてきた状態から、自分で運転席に座って、ボロボロでもいいから自分の車を、自ら運転するようになること、つまり主体性(政治的な力)の再獲得を意味します。

リカバリーを優先させる医療や看護の実現のためにも、何はなくとも当事者が責任を取る態度を回復することが重要であると指摘されています。

再発・再燃はプロセスに包含される

リカバリーの道は決して平坦なものではありません。当事者になってからの人生は、自分で決めたチャレンジの連続であり、その中で症状が悪くなったり、小さな再発をしたり、長期間の大きな再発もしたりしてきました。


リカバリーの過程にいる人々は、再発防止を考える医療やメッセージを主治医から受けることが多く、再発をするたびに「私はだめな人間なんだろうか」と自分を責めてしまいがちです。しかし、当事者自身の経験から、再発は「私という名の自然現象の一つだった」と肯定できる時が来ます。

ピアサポートの決定的な影響


リカバリーの4原則の一つであるピアサポート(仲間同士の支え合い)は、リカバリーのターニングポイントに最も影響を与えるものとされています。


リカバリーにおける決定的に必要なことは、孤立した状態から抜け出すことであり、孤立に関しては薬は全く役に立ちません。ピアサポート・グループに参加した途端、アクティビティが上がり、リカバリーしていった仲間が何人もいます。


実際に、病院の保護室病棟という行動制限が厳しい環境下においても、入院患者同士が鉛筆と白い紙の束を使って「寄せ書きごっこ」を行い、メッセージを交換するという当事者発のピアサポートが続けられた事例があります。この行為は「もののやりとり」禁止のルールに抵触しないという解釈で取り締まられず、拘束されていた当事者もピアサポートが続く限りリカバリーの過程にいると主張しています。


3. 究極の目標:リカバリーという言葉そのものが不要になる社会の希求

当事者にとって、リカバリーとは「自分で考え、自分で決め、チャレンジをし、語り、自分で責任をとる」という、本来であればだれにとってもあたりまえのことでしかありません。


精神疾患のない人たちが何かにチャレンジしたり自分で決めたりする過程を「リカバリー」とは呼ばないではないですか。その不自然な状態があるからこそ、「リカバリー」などという不自然な言葉が必要になっているのです。


したがって、当事者の究極の目標は、リカバリーという概念が必要なくなる社会が実現することです。

私たちは、リカバリーというキラキラした通じない言葉が流通するのに10年以上かかった現状を踏まえ、リカバリーもいいけれど、精神疾患が治ってしまえば良いというシンプルな目標を掲げ続けているのです


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