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 リカバリー全国フォーラム:立場を超えた完全に水平な関係性を約束された場

NPO法人地域精神保健福祉機構・コンボ(以下コンボ)が主催するリカバリー全国フォーラムは、日本の精神保健福祉領域において、当事者、家族、専門家、市民、マスコミなど、全ての参加者の立場を超えた完全に水平な関係性を約束し、それを維持し続けてきた稀有な場です。

1.1 ヒエラルキーからの脱出と場の値価


コンボの創設当時(2007年)はリカバリーという概念は一部の専門家が知っているだけであった中、コンボはこのフォーラムを通じてリカバリーという言葉の概念を当事者、家族、専門家、マスコミ、市民に開放する社会運動のような活動を行ってきました。


このフォーラムの最大の価値は、参加者が普段のおかしなヒエラルキーから脱出する場であるという点にあります。


当事者と専門職の関係においては、診察室や面談室の中ではフラットな関係を築くことは無理だと考えられています。


専門家が「治療者」として、当事者の人生の責任すらも引き受けてしまう管理的な姿勢は、リカバリーを阻害します。


しかし、リカバリー全国フォーラムでは、立場を超えた水平な関係を築ける場として成立してきました。


全国各地から1,200人から1,400人もの人々が会場に密集し、誰がどの立場かなどはまったく誰も考えないリカバリーの躍動の場となったのです。


1.2 参加の動機:「誰かに直接会うこと」

参加者の動機が、フォーラムの水平な関係性を象徴しています。


それは、「誰か」に「直接」会いに行き、立場を超えて「触れ合う」ことです。


この直接接触体験こそが、スティグマ解消の三原則(当事者との直接の接触・科学的に正しい知識の啓発・マスコミやSNSでの情報の是正)の一つであり、また、リカバリーの4原則の一つである参加者の「ものの見方を変化させる」起点となります。


それは、立場を超えて、当事者を含むすべての人に当てはまります。


リカバリー全国フォーラムは、当事者との直接接触によって、目を覚ます専門職が多く見受けられる場でもあります。


当事者同士だけでなく、他の立場の人との水平な関係の出会いによって、「こんなことをしている人もいるのだ」「こんなこともしてもいいのだ」と、多くの人たちが変わり、持ち帰っていくのです。

1.3 当事者中心の企画と自由な発言の場

フォーラムのプログラムは、そのテーマ設定から運営まで、当事者中心にシフトしていきました。


目玉のプログラムである「トークライブ」での当事者の勇気ある発言・発信は、精神障害を持つ人、その家族への世の中からのスティグマ、また内なるスティグマを揺さぶり続け、こころのバリアフリーのために大きな影響をもたらしています。


2. 登壇者・参加者すべてが「〇〇さん」と呼び合うルール

リカバリー全国フォーラムが「完全に水平な関係性」を維持し続ける上で、参加者・登壇者全員が遵守する呼称のルールは、ヒエラルキーを意図的に排除するための象徴的な行為です。


リカバリー全国フォーラムの場では、「○○先生」というのは禁止となりました。


これは、治療者や専門職を上位者として位置づける従来の文化を打ち破るための重要な規範です。


全ての参加者が「○○さん」と呼び合うことになっています。


フォーラムが終わった後も、この水平な関係性は継続し、どんな立場であろうが、あだ名やその人の呼ばれたい名前で呼び合ったり、互いにさん付けで呼びあったりする水平な関係が継続されています。


たとえば、高橋清久先生ではなく、「きよさん」などと呼び合うのです。


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