#水平な関係性 の実現:リカバリー全国フォーラムとコ・プロダクション
水平な関係性の実現:リカバリー全国フォーラムとコ・プロダクション
ピアサポートを精神保健システム全体に広げるには、専門職と当事者の間に存在するヒエラルキーを打破し、水平な関係性を構築することが不可欠です。
2.1 リカバリー全国フォーラム:対等な関係を維持する場
NPO法人コンボが主催するリカバリー全国フォーラムは、この水平な関係性を実現するための象徴的な場です。
2009年に始まったこの大会は、いわば「リカバリーの祭典」とも呼べるもので、参加者の立場(当事者、家族、専門家、市民、マスコミなど)がすべて対等な立場であり、普段のおかしなヒエラルキーから脱出する場となりました。
フォーラムの会場では、「〇〇先生」という呼称は禁止とされ、全員が「〇〇さん」と呼び合うことになっています。これは、当事者との直接接触によって、専門職が目を覚ます場となり、参加者が「こんなことをしている人もいるのだ」「こんなこともしてもいいのだ」と変わり帰っていく機会を提供しています。
この大会の魅力の一つは、「誰か」に「直接」「会い」に行き、立場を超えて「触れ合う」、こと(それも物理的に)、が参加の動機となる点にあります。フォーラム終了後も、この水平な関係性は継続し、どんな立場であろうが、あだ名やさん付けで呼び合う文化が根付いています。
特に、2013年からはトークライブの形式が固まり、約40人〜50人くらいの人が、1,200人の会場に向かって、マイク一本で2〜3分ずつ自由に発言をするようになりました。
これは、当事者が勇気をもって壇上に上がり、発信し続けるという非常に自由な雰囲気の場となっています。
2.2 コ・プロダクション(共同創造)の哲学
専門職と当事者が対等なパートナーシップを築き、サービスや政策を共同で作り上げていくことをコ・プロダクション(共同創造)と呼びます。
この共同創造を理解するための鍵は、「目的」と「手段」のすり合わせにあります。
コ・プロダクションとは、この目的と手段の側面をどうすり合わせ、互いにハッピーになっていくか、という作業です。
水平な関係性の実現には課題もあります。
専門職が「治療者」と「患者」という関係にある診察室の中では、当事者や家族の本音はわからないため、フラットな関係を築くことは無理だと考えられます。
ロサンゼルスの統合サービスエージェンシーのVillage ISAのあるスタッフは、医師でありながらvillage ISAに就任した後の初めの仕事はメンバーの引っ越しを手伝うことでした。
彼は普段からメンバーとバスケットボールをするなど、治療関係や福祉の担当関係ではない場で対話する機会を持しました。
コ・プロダクションの実現に不可欠な要素は、診察室の中にはない、対等な関係性なのです。
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力作ご苦労様です。ピアサポートを広く精神福祉の世界に広め、ヒエラルキーを無くして水平な関係で支援したりされたりしたいという社会はアメリカのヴィレッジで感じたことです。(言葉でわかったのでなく、表情の明るさでわかりました。) 日本では誰もが避けて通る学歴ヒエラルキー社会を抱えています。私はそこを問題にしようとするのですが、学歴コンプレックスとレッテルを貼られるだけで、どうしようもない差別社会です。いや差別でない平等な立場で審査を経た、実力のライセンス社会の証だという人が多いです。ですから低学歴だといじめられるし、高学歴だとこれも知らないのかとか金稼げなければというプレッシャーに押しつぶされています。こんな日本の学校歴社会ヒエラルキーが重く存在する中で、精神福祉の中だけ水平であっても、肩書の水平を成し遂げることはできますが、根の中の深い肩書の心のヒエラルキーは、その場限りだけで日本では可能だと思います。ただ、その場限りで社会に戻ればコンプレックスに押しやられる日常に戻るだけです。これを避けて通れる日本人はいません。でも表面的には無視して通る人ばかりです。そこに日本のコミュニティーの限界を感じ、皆、孤独を克服できないのではないかと、また同じ近い人としかつるめないのではないかと危惧します。そこが、日本社会的危機で、ピアサポートの試行錯誤はこの問題にヒントを与えうるかもしれない、重要な福祉的実験と思います。今後に期待します。
返信削除なるほどです。いつもコメントありがとうございます。もっと良いコンテンツを作成できるよう精進いたします
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